『あんぱん』週の真ん中でのぶと嵩に“決定的な分岐” 松嶋菜々子まさかの再登場も

『あんぱん』のぶと嵩に“決定的な分岐”

 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の決定的な分岐が描かれた『あんぱん』(NHK総合)第43話。

 卒業制作を終え、寛(竹野内豊)の危篤に合わせて御免与町に帰宅した嵩は、のぶに想いを告げることができなかった。寛の死に間に合わなかったと後悔する想い、それを友人として支えてくれたのぶへの感謝と、長年温め続けたのぶへの恋心をうまく同居させることができなかったのかもしれない。そして、空き地での嵩の判断は決定的な手遅れとなって、嵩に突きつけられる。

 想いを告げられないまま、東京に戻ろうとする嵩。のぶへ抱く恋心の結晶のような赤いハンドバッグを千尋(中沢元紀)に押し付ける。のぶへの恋から「卒業」ではなく「中退」をしようとする嵩に、のぶの祝言の予定を告げないのは千尋の優しさだろう。

 嵩は駅に向かう前、朝田家を通りかかる。そこでのぶの婚約者である次郎(中島歩)と対面してしまう。そして、次郎の口から「のぶさんに祝言の日取りをお伝えにきました」という言葉。のぶと次郎の祝言に向けた流れを踏まえれば、なんの違和感もない言葉だが、嵩へのダメージは絶大だ。のぶから祝言についての報告を受けるわけでもなく、相手の男性から失恋を言い渡されるとは、なんて残酷なのだろうか。誰よりも焦って、言葉を噛みすぎてしまうメイコ(原菜乃華)のかわいらしさがなければ、耐えられない。

 家の前まで出て次郎を迎えるのぶは、嵩と次郎が対面していることに少しも気まずさを感じていないように見えた。すっきりとした顔をしたのぶの「ありがとう」が、嵩の切なさをさらに増幅させる。嵩からのぶへを恋心を知っている屋村(阿部サダヲ)から励まされ、「絶望の隣は希望」と寛の言葉を借りる嵩だが、その足取りは重そうだ。いじりつつも屋村からは本当の絶望はこんなもんじゃないという言葉が。屋村の言葉からは、より近づきつつある戦争の足音を感じざるを得ない。「ほいたらね(じゃあまたね)」と別れた千尋、千代子(戸田菜穂)、しん(瞳水ひまり)と嵩の再会が叶うといいが……。

  時は経ち、のぶの祝言の前日へ。朝田三姉妹たちは、三姉妹で眠りにつく最後の夜を過ごしていた。三者三様の寂しがり方がなんとも愛おしい。蘭子(河合優実)は口では強がりつつ、白目を赤く染めて顔を歪め、メイコは俯き、瞳いっぱいに涙を溜める。そんな妹たちを見て、一粒涙をこぼすのぶ。泣きながらラジオ体操をして巣立ちを惜しむ三姉妹と、「うるさいね」と笑う羽多子(江口のりこ)。朝田家にとって大切な一夜だ。

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